15万km超で値段がつかないのは日本目線だけ。海外輸出、部品取り、触媒の白金、鉄スクラップで値段は残ります。
「もう15万kmだから値段つきません」
「廃車5000円ですね」
「処分費かかるんで、むしろ持ってってあげるって感じです」
このセリフ、聞いたことありますよね。
はい、半分ウソです。
正確に言うと、日本国内の店頭再販目線では確かにそう。でも世界には、15万km超の車をニッコニコで買っていく人達が普通にいます。アフリカ、東南アジア、中南米、中東、ロシア。日本車の中古は、向こうでは「まだ走れる優良在庫」扱い。
あと触媒に白金入ってるの知ってます? あれだけで1〜3万になります。
今日は、業界の人なら全員知ってるけど一般には言われない、15万km超の車の値段が残る仕組みを雑学として並べます。
最初の雑学がこれ。
「廃車5000円」って言ってくる業者、別に全員悪人じゃないんです。本当にその金額が業者にとってのリアル。なぜか。
その業者が国内店頭再販しか出口を持ってないから。
国内で売る → 15万km超は店に並べづらい → 保証つけにくい → ローン組ませにくい → 売れない → だから5000円。
シンプルにこれだけ。
ところがその同じ車を、輸出ヤード持ってる業者に見せると、いきなり「8万」「15万」「30万」とかになる。同じ車。同じ走行距離。出口だけ違う。
これ、知らずに「あの店が5000円って言ったから5000円なんだろうな」と思って手放すと、普通に5万、10万損してます。これ業界では「相見積もり3社」って言われる理由がここ。
ちなみに名古屋市内・愛知県内(豊田・岡崎・一宮・春日井・小牧・刈谷)だとこの差が地味にデカい。海まで近いし(名古屋港の中部国際輸出ターミナル)、海外輸出の出口が物理的に近い業者と、国内オークションしか流せない業者で、同じ車に倍以上の値段差がつきます。岐阜南部・三重北部・静岡西部からでも名古屋港まで近いので同じ条件で動きます。
これ言うと、半分の人が「は?」ってなる雑学。
車の触媒コンバーターって部品があります。マフラーの途中についてる、缶詰みたいな形のやつ。あの中、ハニカム構造になってて、表面に白金(プラチナ)、パラジウム、ロジウムが塗ってあるんです。
本当に塗ってある。
排ガスをキレイにする触媒として使われてるんですが、これらの金属、価格を見ると正気を疑います。
| 金属 | 用途 | レアメタル相場感 |
|---|---|---|
| 白金(プラチナ) | 触媒、貴金属 | 金より高くなる時期もある |
| パラジウム | 触媒、電子部品 | 過去には金より高騰 |
| ロジウム | 触媒 | 金の数倍になることもある |
そう。触媒、ロジウム入ってます。金より高い時もあるロジウムが、です。
含有量はめちゃ少ないんですが、それでも1台分の触媒で1〜3万円の買取相場が普通にあります。ハイブリッド、大型SUV、ディーゼル車だと触媒の数や種類が違うので、もっと出る場合もあります。
つまり、車のマフラー周りに「金より高い時もあるロジウム入りの缶詰」がついてて、廃車5000円で渡すとそれごと業者がポケットに入れてる、という構図が普通に発生してる。
これ、聞いたら絶対損したくないですよね。
ちなみにアフリカ向けの中古車輸出、JETRO公式統計だと2023年の日本→アフリカ輸出は29万2,779台(約1,695億円)で、タンザニア7万台・ケニア5.6万台・南アフリカ4.4万台が上位3国。[出典: JETRO地域分析レポート] 過走行車も含めて毎年数十万台規模で動いてる、これが世界の現実です。
はい、本日のメイン雑学行きます。
トヨタ・ハイエース200系。日本で15万km走った商用バンを想像してください。荷物満載で工務店のおっちゃんが乗り回したやつです。
これ、海外で50万〜150万円のレンジで動く相場帯があります。
「は?新車安いやつより高くない?」
はい。
国によっては、日本国内で新車買うより、日本から中古ハイエース輸入する方が安いみたいなバグみたいな現象起きてます。理由は単純で、向こうの新車税制と関税構造が中古輸入を有利にしてるから。
結果、日本人感覚だと「過走行の中古商用車」が、向こうでは「ファミリーカー兼商売道具兼資産」になる。
具体的なレンジで言うと、プロボックスやサクシードは15万km超でも海外15万〜30万円相当。ランドクルーザー系は10年落ち15万kmでも50万〜200万の幅で動く。プリウスもバッテリー次第ですが普通に値が残る。
「日本で過走行だから終わり」というのは、世界の3割くらいでしか通用しない感覚です。
軽トラの話も雑学として強い。
軽トラ(キャリイ、ハイゼット、アクティ、ミニキャブ)の現役寿命を聞いたことありますか?
農家のじいちゃんに聞くと「30万km走ったよ」「2回エンジン載せ替えた」みたいな話が普通に出ます。元々が「働かせる前提」で作られてるので、商用車設計のエンジンは長寿命。日本で15万kmって、軽トラ目線だとまだ折り返し地点くらい。
だから軽トラは15万km超でも5万〜15万円で値段がつくことが普通にある。状態によります。荷台が腐ってない、4WDが効く、エアコン効く、書類揃ってる。これだけで買い手はいる。
需要先も無限です。
北米でkei truck(軽トラ)がマニアックな人気あるの、これも雑学として強いですね。25年ルールで日本中古を輸入できる年式の軽トラを、わざわざ高い金出して買う層がいます。
「古い軽トラだから0円でいいや」と渡してる人、ガチで損してます。
金属シリーズもう一発。
普通乗用車1台分の鉄(ボディ、フレーム、シャーシ等)を解体してスクラップにすると、車重1.5tクラスで3万〜5万円。アルミやら銅やら混ざるので実際はもっと出る場合もあります。
鉄スクラップ価格は世界の鉄需要で日々変動するんですが、過去5年は基本的に高止まり傾向。中国の建設需要、コロナ後のサプライチェーン、戦争関連で世界中の鉄が動いてます。
つまり、車1台って金属塊として見ると、最低3万円前後の価値が常に乗ってます。
そこに先ほどの触媒1〜3万、外装部品やエンジン部品の中古相場、書類があれば名義変更可能な車両としての残存価値、海外輸出可能なら現地相場。
これ全部足すと、廃車5000円って数字、どこから出てきたんだろうって普通になります。
残酷なんですが、15万km超で値段がよく残る車には傾向があります。
9割くらいトヨタです。
日本で「壊れにくい車種ランキング」みたいな雑誌記事を作ると、上位がトヨタで埋まるアレが、海外でもそのまま起きてます。海外バイヤーは普通にネット情報で日本車の評判を調べてるので、結果トヨタ系に値が乗りやすい。
具体的には、
逆に、国内専用設計で海外需要が薄く、部品供給も細い車は厳しい。年式新しくても距離行ってると国内店頭で並べづらい、海外も興味ない、で詰むパターンがあります。
「トヨタの過走行は売る前にもう一回考えろ」これ覚えておくと損しません。
最後に実用パートを少しだけ。
15万km超の車って、隠したくなりますよね。
「エンジンルームのオイル滲み、写真撮らない方がいいかな」
「警告灯ついてるけど、消してから写真送るか」
「サビひどいから、撮らないほうが値段つきそう」
気持ちはめちゃ分かります。でも実は逆です。
業者目線で言うと、走行距離が多い車は「むしろ全部の状態が見えてる方が値段を出しやすい」です。
理由は、過走行車を買う出口(海外輸出、部品取り、商用再販)は、見落としや不具合が後から出ると損が大きい。だから事前に全情報が出てる車は、業者が安心して上の値段を出せる。
逆に「キレイな写真しかない過走行車」は、業者が「何か隠してる前提」で値段を引きます。当然です。
だから、隠さず全部撮ってください。
「これ言ったら安くなるかな」と隠して、後で減額される方が普通にダメージでかいです。
東海くるま買取本舗の話を少しだけ。
うちは廃車前提や0円買取を最初に出しません。出口が複数あるからです。
国内で並べにくくても、部品需要、海外輸出、軽トラ系の専門ルート、鉄資源、触媒。これ全部見て値段を組み立てる。
名古屋市内・愛知県全域(豊田・岡崎・一宮・春日井・小牧・刈谷ほか)は、地理的に名古屋港(中部国際輸出港)の輸出ルートが近いので、過走行や15万km超でもマッチングしやすい立地。岐阜南部(各務原・大垣・多治見等)、三重北部(四日市・鈴鹿・桑名等)、静岡西部(浜松・磐田等)もエリア内。アフリカ向け中古車輸出だけで年間29万台規模、東海エリアからの出荷量はその有数の集積拠点です。
「廃車って言われたんだけど、本当?」
「15万kmなんですけど、写真送っていいですか?」
こういうの、LINEでざっと見るだけでも全然OKです。電話なし、訪問なし、数字だけ先に確認できます。